COLUMN
暮らし快適コラム
こんにちは。住まいのコンシェルジュ、ツボイです。
住まいや暮らしに関する言葉は成り立ちが古いせいか、
現代ではすっかり形骸化してしまっていることもあり、
意味はおろか読み方が分からないものも多々あります。
例えば「枕棚」「中段」はいかがでしょうか?
枕棚:まくらだな
中段:ちゅうだん
と読み、どちらも寝具と関わりの深い建具なのですが、
「枕棚」はクローゼットに、「中段」は押し入れにあります。
「枕棚」とはクローゼットの上部に取り付けられた、小物を置く棚のことです。
その名の通り、昔は枕を収納するのが目的だったので、奥行は浅く作られています。
「中段」は押し入れのちょうど中程に取り付けられた棚です。
こちらはお布団を収納するのが目的であるため、重量に耐えられる厚みと、
十分な奥行が確保されています。
押し入れの下段(床)ではなく中段に置くことで湿気や虫から布団を守る狙いがあります。
近年は和洋の垣根も薄れつつありますが、押し入れはそもそも寝具、衣類、生活道具を
収めるためのスペースであり、クローゼットは靴や衣類を収納する戸棚です。
それぞれ収める物が異なるので、奥行をはじめとするサイズ(収納量)に違いが出ます。
押し入れは組み布団をしまう必要があるので、奥行75㎝確保するのが一般的です。
逆にクローゼットは押し入れに比べるとコンパクトに作られることが多く、
カビも発生しにくいのが特徴です。
押し入れの下段(床)をよく見ると、壁に沿って取り囲むように細い木材が付いていますが
これは「雑巾摺(ぞうきんずり)」と呼ばれるもので、壁を保護する役目(巾木とよく似た役目)と、すき間を隠す役割を担っています。
その名のとおり、雑巾で拭き掃除をしようとしたら、この付近を摺るために、この名が付いたそうです。
これからも定期的に暮らしや住まいに関する「豆知識」を投稿していきます^^