COLUMN
暮らし快適コラム
大切な住まいに外壁塗装をしたら、できるだけきれいな姿を長く保ってもらいたいですよね。でも外壁塗装が初めてなので、長持ちする塗料にはどんなものがあるのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。
今回は外壁塗装を検討中の方に向けて、代表的な塗料の種類と耐用年数、合わせて塗装を長持ちさせるポイントや方法などをご紹介します。読んでいただくと、よりきれいな姿が長く続く外壁塗装ができるようになるでしょう。
塗装の耐用年数は外壁の寿命に影響する
外壁塗装の耐用年数は家の美観を保つ他に、外壁の寿命にも大きく影響します。外壁塗装は家に色を付けるだけでなく、太陽の紫外線や雨風によるダメージから外壁を保護する役割も持っているためです。
外壁塗装が寿命を迎えてしまえば、外壁の劣化が一気に進んでしまう恐れがあります。そのため外壁の寿命は外壁塗装の耐用年数次第です。外壁自体を長持ちさせるためにも、できるだけ耐用年数の長い塗料を選ぶことをおすすめします。
塗料の種類と耐用年数
それでは外壁塗装に使われる、主な塗料の特徴と耐用年数をご紹介します。
アクリル塗料
アクリル塗料は比較的価格が安いものの、耐用年数が3〜5年と短いため、住宅のような長く使う建物の外壁塗装にはあまり使われません。数年のうちに解体する予定の建物に行う塗装や、部分的な補修目的の塗装で使われる塗料です。
ウレタン塗料
ウレタン塗料は耐用年数が8〜10年ほどで、古くから外壁塗装によく使われてきた塗料です。アクリル塗料に次いで価格の安い点がメリットでしたが、耐久性に優れるシリコン塗料の価格が下がってきたことから、外壁塗装に使われるケースは減ってきています。
シリコン塗料
シリコン塗料は耐用年数が約10~15年ほどで、現在外壁塗装に最も多く使われている塗料です。費用はウレタン塗料に比べるとまだ若干高めですが、耐久性とのバランスが良くコストパフォーマンスに優れています。
ラジカル塗料
ラジカル塗料は比較的新しい塗料で、耐用年数は12〜16年です。特に耐候性が高い塗料であるため、紫外線や雨風による劣化が少ないという特徴を持ちます。価格はシリコン塗料と大きく変わらないこともあり、近年注目を集めている塗料です。
フッ素塗料
フッ素塗料は耐用年数が約15~20年と、とても長いのが特徴です。価格は少し高めになりますが、再塗装の回数を減らせるため長期的な出費を抑えられます。また汚れが付きにくい性質があり、きれいな状態を維持しやすい塗料です。
無機塗料
無機塗料は耐用年数が15〜25年と長く、耐久性に優れた塗料です。劣化の原因となる樹脂成分をほとんど含まず、石やガラスなどと同じ、紫外線によって分解されない無機物を主成分としています。価格は高めですが、一度施工すれば長期間塗装をせずに済むでしょう。
●各種塗料の耐用年数一覧
高い耐久性と汚れにくさを持つアステックペイント
住まいるコンシェルジュツボイでは無機成分配合の、アステックペイント「超低汚染塗料リファインシリーズ」をおすすめしています。塗装が長持ちするのはもちろん、排気ガスや黄砂・PM2.5といった細かな汚れが付着しにくい塗料です。仮に汚れが付着しても、塗膜と汚れの間に雨水が入り込むことで、汚れをきれいに洗い流します。
また遮熱性に優れているため、太陽の熱を反射して室内温度の上昇を抑える効果もあります。耐用年数が長いだけでなく、冷房の省エネ効果も期待できますので、ぜひご検討ください。
塗装の寿命が近づいたことを示すサイン
ここでは外壁に塗られている塗料が、寿命に近づいていることを示すサインをご紹介します。これを目安に、一度ご自宅の外壁をチェックしてみることをおすすめします。
チョーキング
チョーキングとは外壁に触ったとき、チョークの粉のようなものが手に付く現象のことです。塗料が劣化して成分が分解し、色付けをしている顔料が浮いてくるとこの現象が発生します。
チョーキングが現れた場合は、外壁塗装の寿命が近づいている印といえます。放っておくと外壁に雨が染み込んでシミになったり、ひび割れが起きたりする恐れがあります。できるだけ早めに再塗装を検討するようにしましょう。
ひび割れ
外壁塗装の寿命が近づくと、塗料のひび割れが見られることがあります。そのままにしておくと隙間から雨水が塗料の下に入り込み、外壁を傷めてしまうことになります。
また地震などの影響で、外壁自体がひび割れている恐れもあります。発見したときは早めに工事会社へ外壁の点検を依頼するようにしてください。
雨の染み込み
雨が降ったとき外壁に雨水の染み込みが見られるようなら、塗装がすでに寿命を迎えている可能性があります。雨の染み込みは塗装の防水機能が働いていない証拠です。
何度も雨が染み込み続けると外壁が汚れるだけでなく、割れにもつながっていきます。外壁の傷みを防ぐためにも、早めに再塗装を検討しましょう。
カビやコケ
塗装の防水機能が働いているうちは、カビやコケが外壁に付いても雨で流れ落ちますが、外壁にカビやコケが付いているようなら、塗装が寿命を迎えている可能性があります。
塗膜が威力を失うと防水機能が失われ、外壁にカビなどの胞子が根付くようになってしまうのです。そのままにしておくと、カビやコケが広がってしまう恐れがあるため、早急に工事会社へ塗装の相談をしましょう。
シーリングの剥離
外壁のパネルの継ぎ目を埋めているシーリングが、ひび割れていたり外壁から剥離していたりする場合も、塗装がかなり劣化している可能性があります。
シーリングが傷んでいるということは、長期間外壁のメンテナンスをしていないことを意味するからです。一見塗装は傷んでいないように見えても、工事会社に点検を依頼し、ひび割れの進行具合や補修が必要かどうかを診断してもらいましょう。
耐用年数を過ぎた塗装による被害
耐用年数を過ぎた外壁塗装をそのままにしておくと、外壁や住まいの骨組みにさまざまな被害を及ぼすことがあります。具体的にどんな被害が考えられるか、いくつか例をご紹介しましょう。
汚れが落ちにくくなる
外壁塗装の耐用年数が過ぎてしまうと、外壁に付いた汚れが落ちにくくなることがあります。外壁を守る塗装の保護膜としての機能が失われ、汚れが外壁に直接付くようになるためです。
特にサイディングやモルタルのように表面にざらつきのある外壁材では、細かな凹凸の奥に汚れが入り込んでしまい、さらに落とすのが困難になります。また再塗装する際に洗浄しても汚れが残りやすくなり、新しく塗った塗料の耐久性に悪影響を及ぼす可能性もあります。
外壁の張替えが必要になる
外壁塗装の寿命を過ぎたままにしていると、外壁自体の張り替えが必要になることがあります。外壁の劣化によってできた割れや欠けが、紫外線や雨風の影響でさらに広がり、簡易的な補修では対処しきれなくなるためです。
割れや欠けが広がったままだと、外壁の強度が落ちてしまい、地震などで落下する危険性も出てきます。
建物本体の耐久性が落ちる
外壁塗装の耐用年数が過ぎた状態のまま放置すると、建物本体の耐久性が落ちてしまう恐れがあります。外壁の劣化が進み割れや欠けが広がり、そこから雨が建物内部に入り込んで骨組みを傷めることになるためです。
建物の造りによっては、外壁の内側に防水シートが張られ、骨組みが濡れないようになっています。しかし、防水シートも経年により劣化します。破断や亀裂から入った雨水が骨組みを腐らせてしまうことに。
骨組みが傷んでしまえば家の耐久性は落ちてしまいます。長く住めなくなるばかりか、地震が発生したときに大きな被害を生む恐れもあるでしょう。
外壁塗装を長持ちさせるポイント
外壁塗装の効果をできるだけ長持ちさせるための、3つのポイントをご紹介します。
耐用年数の長い塗料を選ぶ
外壁塗装を長持ちさせるには、できるだけ耐用年数の長い塗料を選びましょう。当たり前のことですが、もっとも効果的な方法といえます。確かに耐用年数の長い塗料は費用がかかります。しかし将来再び塗装する回数が減り、長期的な出費を減らせます。
外壁の清掃を定期的に行う
外壁塗装は、定期的な外壁の清掃を工事業者に行ってもらうことでも、長持ちさせることができます。北向きの外壁など日当たりの悪い場所は、雨で濡れた湿気が乾きにくくカビやコケが生えやすい環境です。塗装の表面にカビやコケが生えたままでいると、外壁を傷めてしまう可能性があります。
カビやコケはそれ自身が湿気を持ちやすく、塗装を劣化させ外壁を腐食させてしまう恐れがあります。またカビやコケが繁殖することで、外壁が変色してしまうことも。外壁を長持ちさせるには、定期的な清掃をおすすめします。
腕の良い工事業者に依頼する
より長持ちする外壁塗装にこだわるなら、専門知識のある腕の良い工事業者に依頼しましょう。外壁塗装は人の手で行う部分の多い工事です。そのため技術が未熟な工事業者に頼んでしまうと、塗装が長持ちしなくなる可能性があります。
例えば塗装をはがれにくくするには、丁寧にムラなく塗料を塗る必要があります。不安定な足場の上できれいに塗料を塗るには、経験で培われた確かな技術が必要です。
他にも塗装前の洗浄で、細部までしっかり汚れを取るなど、技術が必要とされる作業がいくつもあります。長持ちする外壁塗装を行うには、腕の良い工事業者に頼むことも大きなポイントです。
腕の良い工事業者の特徴
外壁塗装の腕が良い工事業者を選ぼうとしても、事前に腕の善し悪しを知るのは難しいかもしれません。そこで腕の良い工事業者の特徴を2つご紹介します。
工事の事例を公開している
腕の良い工事業者は、自分たちが行った塗装工事の事例をホームページなどで公開しています。外壁塗装を検討中の方はもちろん、同業者も見る可能性があるネット上に公開することは、塗装の仕上がりに自信がないとできないことでしょう。
工事業者を検討する際は、ホームページに事例が掲載されていないか、ぜひ確認してみましょう。
事前の建物調査をしっかり行う
腕の良い工事業者は、建物の状態を事前に確かめるために建物調査をしっかり行います。その建物の状態に合った適切な塗装工事を提案し、持てる技術を十分に発揮することで、お客様に満足していただける塗装ができると考えているからです。
塗装を検討中であれば一度建物調査を依頼し、その様子や報告内容をチェックしてみると、工事業者の技術レベルがうかがえるのではないでしょうか。
屋根と外壁を同時に塗装して出費を抑える
外壁と一緒に屋根の塗装を行うことで、工事費用を抑えることができます。屋根と外壁の塗装を同時に行えば、家のまわりに設置する足場の費用が1回分で済むためです。
外壁と屋根を別々に工事すると、足場の費用が2回分かかってしまいます。もし屋根においてもメンテナンスをせずに相応の年数が経っている、色褪せがあり劣化が進んでいるという状態なら、外壁と同時の塗装工事をおすすめします。
ただ屋根の状態を、お客様の目で確かめることが難しい場合もあります。ツボイではドローンで屋根の状態を点検し、お客様に報告したうえで適切な工事をご提案しています。外壁だけでなく、屋根の劣化も気になるという方は、ぜひご相談ください。
国税庁が定める外壁塗装の法定耐用年数とは?
所有する建物を他者に貸して賃料を得ている場合、外壁塗装の費用を減価償却費として経費計上できる場合があります。塗装自体の耐用年数は定められていませんが、建物には法定耐用年数が決められているため、建物の種類に応じた年数で塗装費用の減価償却が行えます。
ただし経費計上できる塗装費用には一定の条件があり、建物や建物付属設備に関する減価償却資産の耐用年数についても定めがあります。賃貸の建物へ外壁塗装を検討している方は、事前に税務署や税理士などへ相談してみましょう。
まとめ
外壁塗装は耐用年数の長い塗料を使うことで、より長く住まいの美観を維持し、外壁や躯体を保護することができます。長持ちする塗料は費用がかかりますが、将来の再塗装の回数を減らすため、長い目で見ると出費を抑えることになります。
塗装が寿命を迎えた状態であるにもかかわらず放置していると、見た目が悪くなるだけでなく、外壁や家の骨組みを傷める可能性があります。お伝えしたような、塗装が寿命を迎えたことを示すサインを見つけたら、できるだけ早く工事業者に相談するようにしましょう。
住まいるコンシェルジュツボイではお客様のお住まいの状態を無料で点検し、最適な外壁塗装をご提案しています。
外壁塗装をご検討中の方はもちろん、お住まいの外観や外壁に気になることがある方も、お問い合わせフォームやお電話からお気軽にご相談ください。